大人の扁桃摘出体験記②
(入院期間中、手術当日、食事等)

前回は入院前の諸々のお話を書きました。 今回は入院から退院後まで書いていきます。  

入院一日目(手術前日)

入院手続きは、手術前日の朝9時半からでした。

 

待ち時間に、「ガンが全身にあって5回目の入院」というお爺さんに話しかけられました。ヘビーな話ですが元気そうで楽しく会話しました。

 

「何で入院するの?」と聞かれましたが、扁桃摘出とは少し言いづらかったです。病院って、病状の重さに比例した心理的カースト制度があるように感じます。

 

程なく呼び出しを受け、病室に案内され簡単な説明を受けました。昼から病院食。患者の自覚が芽生え始めます。

 

夕方に麻酔医と執刀医のムンテラ(手術説明)を受け、同意書にサイン。アレルギー・喘息・喫煙の有無が一番重要そうな感じでした。

 

21時から絶食となり、食べ納めに和菓子とたけのこの里を食べました。

 

21時消灯で22時過ぎに無事就寝できました。特に頼んでもないのに睡眠薬が処方されましたが、普通に眠れたので使用しませんでした。 

 

入院二日目(手術当日)

手術前

6時点灯。病院は朝も早いです。特に緊張はありませんでした。手術は3件目で、13時の予定と教えて貰いました。

 

時間があったので、朝方シャワーを浴びておきました。術後は数日浴びれないからです

 

シャワー後、ルート確保(点滴用のコード刺し)してもらいました。

 

刺すポイントはいくつかあるので、事前にググって優先順位を決めておくといいかもです。

 

自分の場合、手の内側よりも甲側に刺してもらう方が良かったです。内側の皮膚は弱いため、刺して何日かで痛くなります。また、刺した腕は動かしにくいので、利き手の逆がセオリーです。

 

11時過ぎくらいに連絡があり、12:40からで手術確定と連絡受けました。

 

着替え後、看護師が迎えに来てくれて、一緒に徒歩で手術室に向かいました。

手術室

手術室は機械音だけの水色殺風景な空間で、よく言われるようなミュージックはありませんでした。機械音だけで少し怖い雰囲気でした。

 

手術台に横たわるよう指示され、受ける手術名を聞かれ回答。ミス防止のための確認らしいです。

 

ルートから麻酔が入り、呼気麻酔?か何かを2-3回深呼吸して意識消失。手術室入室から1分くらいしか経ってないくらいのスピーディーさ!

 

リカバリールームで目覚め。痛みはほとんどなく、少しなら会話もできました。夢は特に見なかったです。

手術後

摘出した扁桃をスマホで激写しました。思ったより小さかったです。小さなカキくらい。

 

手術時間は1時間想定だったのに30分で終了癒着はあったらしいので、流石慣れた医者は違うと思いました。

 

横になったまま病室に運ばれ、酸素吸入器を装着されて安静指示を受けます。尿管はありませんでした。

 

血は飲まずにティッシュに吐くよう指示されました。このとき時計を見ると14時半でした。

唾液に少し血が混じりましたが、出血感がなく、途中から唾液出すだけでした。血が出ないのは止血が上手かったからなのでしょう。

 

安静中「シュー」と音がしてたので何かと思っていたら、酸素チューブが外れていました(笑)

 

術後の酸素が少ないと「低酸素血症」による突然死の可能性も僅かにあるらしいとググって知り青ざめました。

 

仰向けで寝たからか、気づかない間に血を飲んだのか、それとも麻酔のせいか、夕方に若干気持ち悪くなりました。申告すると吐き気止めの点滴をしてくれて楽になりました。横向きで寝ることを推奨します!

 

18時になり、夕食が出てきて驚きました。完全流動食のみですが、手術したばかりなのに手違いかと思いました。でも案外食べれました。痛みがあまりなく正直拍子抜けです。半分くらい食べました。

 

酸味のありそうなリンゴジュースも付いていました。病院食は、個々の病人の病状まで考慮できないので、こういうことはよくあります。そっと冷蔵庫にしまいました。

 

21時消灯。22時になってもあまり寝つけなかったので、初日に使わなかった睡眠薬をここで使ってみたらすぐに寝れました。

 

初日使用したティッシュは20枚ほどです。 2箱購入したのを後悔し始めました。  

 

入院三日目(手術翌日)

7時間半熟睡できました。

 

手術翌日の朝食

 

 

 

 

 

朝食はご覧のとおりの完全流動食。重湯とコーンスープです。割と美味しくて、喉も大して痛まず、痛み止め無しで完食できました。

 

熱は37度5分。平熱が37度なので微熱です。入院中、平熱以外だったのは二回だけで平穏でした。

 

体調は良いものの、のどちんこが3倍くらいに腫れて、舌の上に乗っかって時々気持ち悪く、しゃべりづらいのが難点。

 

気晴らしにマンガ読んだり、先人達のブログ読んで気を紛らわしました。日中は痛みもなく楽で、辛いのは夜眠れないことでした。いや、正確にいえば、眠れるけど、すぐに目が覚めてしまう

 

麻酔のせいか、環境のせいか、痛みのせいか、眠っても短いと30分、長くても2時間で目が覚めてしまい、断続的にしか眠れませんでした。こんなこと今まで経験したことがなく辛かったです。これが退院後3日目くらいまで続きました

 

医師曰く「環境のせいで退院すれば治る」でしたが、退院しても続きました。

 

退院3日目に我慢の限界に達し、寝る前に痛み止めを飲んでみたら5時間くらい連続で眠れるようになったので皆さんにも推奨します。痛みも覚醒原因であったのでしょう。  

 

入院四日目(術後3日目)

前日より更に喉が痛いです。 手術当日がピークと思いきや、その逆の展開で驚きます。

 

とはいえ、五分粥にランクアップして、問題なく完食できる程度の痛みです。そう夕食までは。

 

夕食にピーマンの肉団子が出て美味しく味わうと鋭い激痛がして完食を断念。どうやら、弾みでカサブタが取れたっぽいです。この日の夜で点滴は終了。  

 

入院五日目(術後4日目)

午前の診断で、少し出血した跡があると指摘を受けました。昨夜痛みを感じたところ。手鏡で見ると赤くなっています。

 

この辺りから、痛みが鈍痛から、刺すような刺激痛がメインになりました。そしてこの刺激痛のピークは、徐々に高まり、術後7日目がピークでした・・・

(術後、全然痛みがなく、当初は舐めてました・・・)

 

この日から、もう耐えられず、朝食1時間前にロキソプロフェン(ロキソニン)を飲み始めました。ロキソニンが効果を発揮するには、30分~1時間程度かかります。

 

また、空腹時のロキソニンは胃腸に悪いので、ヨーグルト・ゼリーだけでも一緒に食べた方が良いと思います。  

 

入院六日目~入院九日目(術後5-8日目)

医者からは順調と言われますが、入院八日目までは痛みが増していったので、気分的には全然順調ではありませんでしたw

 

退院日(入院九日目)になって初めて前日より痛みが軽快したため、少し安心して退院できました。  

 

退院翌日(術後9日目)

まだ朝食前にロキソニン飲まないと食べれないほど痛いです。夜も中途覚醒で辛かったです。

 

退院3日目(術後10日目)

起床時の激痛が緩和されました。 同時に、起床時に水を飲むと苦味を感じるようになりました。

 

この苦味は、一週間ほどで消失しました。味覚障害というよりは、舌苔だったような気がします。  

 

退院4日目(術後11日目)

苦味を懸念して通院。 原因不明だが、メチコバール(ビタミン12)が処方されました。また、順調に回復していることから、何も無ければもう通院不要とのことでした。  

 

退院8日目(術後15日目)

激痛がだいぶ消失しました。かさぶたは3割くらい残っている状態です。ついに就寝前のロキソニン無しで眠れるようになりました!  

 

退院10日目(術後17日目)

柔らかいものなら普通に食べても痛まないレベルに。あくびすると、まあ少し痛みを感じる程度。カサブタがまだ少しあり、これが無くなったら何でも食べる予定。  

 

退院13日目(術後20日目)

カサブタが完全に無くなりました。普通の固さのご飯も問題無く食べれます。 もう完全回復といっても良い感じです。

 

旨みの味覚の違和感を感じますが、味覚障害というほどではありません。じきに回復すると思うので、焦らず待とうと思います。  

 

入退院についての食事やあれこれについて

入院中

病院食は少ないので、積極的に間食を取るようにしました。ビタミンと亜鉛・アルギニンが創傷回復に良さそうだったので、ウィダーインゼリーの緑と紫を毎日1個づつ摂取しました。

 

栄養ドリンクは沁みるから止めた方がいいです。伝統に従い、プリンとヨーグルトも多食しましたw

退院後

同じくウィダーインゼリーのお世話になりました。卵かけご飯・味噌汁・豆腐・漬物のヘビロテ。お茶漬けや茶わん蒸しも多食。

 

納豆は、血栓を溶かす血液サラサラ効果があり、出血が心配のため控えました。

食事のコツ

なるべく舌や喉を使わず、咀嚼後は、胃に流し込むように飲みこむと痛みが少ない気がします。色々工夫して自分なりのコツを掴むと食事が怖くなくなります。

点滴のトリビア

点滴未経験者は知らないと思いますが、点滴って、普通に空気の玉が血管に入っていくのです。

 

最初それを知らず、空気が点滴から血管に入っていくのを見つけて、

「空気が血管に!」

と焦って看護師さんに話したら

「全然大丈夫ですよー♪」

と平然と返されましたw

 

テレビドラマの空気殺人をするには、相当量の空気を入れる必要があるらしいです。

 

あと、点滴している腕を高い位置に置いていると、点滴が終わった後に血が逆流しますので注意しましょう。初めて見るとギョっとします。これも看護師さんにとっては日常茶飯事のようで、全然大したことありませんので、落ち着いてナースコールしましょう。  

入院アイテム

自分が準備したアイテムを感想付きでご紹介します。

赤字のものは、気づきにくいと思われるものです。

  1. マスク⇒30枚入りの安いので十分だと思います。必須と言われるものの、息苦しいのでベット上ではあまり使用しませんでした。院内散策時のみ使用しました。
  2. 濡れマスク⇒睡眠用に購入しましたが、息苦しく、寝てる途中に取れるので自分には不要でした。でも無いときっと不安だったろうから、一応持って行って良かった。マスクは売店にあったけど、濡れマスクは売店に売ってなかったです。
  3. 手鏡⇒喉の様子チェックのため必須。
  4. パジャマ⇒病院服は有料です。着慣れたものを持ち込みましょう。
  5. 着替え⇒コインランドリーがあるので3日分もあれば足ります。
  6. 洗剤⇒コインランドリーで使用。普通は売店に売ってます。
  7. バスタオル・タオル⇒タオルはサービスで毎日出てきましたが薄い安物でした。バスタオルも一枚だけ提供されました。拘る方は、家から持ってくるのもありですが、嵩張るので悩ましい所です。
  8. シャンプー・ボディソープ⇒病院によっては備え付けがありません。売店で入手。
  9. 爪切り⇒一週間も入院するので。
  10. 置時計⇒スマホとは別にあると便利。
  11. 羽織⇒術後は熱が出て寒気が出ることがあります。また、病院の布団は薄くて寒いです。
  12. クッション⇒ベッド上で生活するのであると楽です。売店で購入。
  13. コップ・歯ブラシ⇒口腔環境は清潔にした方が治りが早いです。旅行用よりも日常使いの品質良いものを持って行くと気分が良いです。
  14. イヤホン⇒テレビやスマホで音声聴くのに必要。コード長めがいいかも。
  15. 延長コード⇒スマホ充電口が遠かったり、コンセント口が足りないことがあります。
  16. スマホ⇒できれば二台あると常に使えて便利です。モバイルWi-Fiルーターがあれば、Wi-Fiタブレットも使える。
  17. モバイルWi-Fiルーター⇒30日5Gで1000-2000円以下で借りれます。キャリアのギガ買うより安いです。沢山使う人は無制限プランの方が良いかも。自分は一日0.7G使用。
  18. Kindle端末⇒本は重いのでKindle持ち込みが楽。事前に本をDLしておくとベター。
  19. 花粉症薬⇒手術後のくしゃみは危険。花粉の季節は回避した方がいいかも。
  20. ボールペン⇒同意書やらサインするものが出てきます。
  21. 院内用スリッパ⇒売店で購入。
  22. ティッシュ箱⇒2箱使ったという体験談が多いですが、自分は半箱しか使わず余って困りました。持ち帰ったものの嵩張りました。
  23. レジ袋⇒着替えやゴミ入れとして確保しておくと便利。
  24. プリン・ヨーグルト・ウィダーインゼリー⇒ウィダーは重要なビタミン源でした。早期回復のために積極的な間食を勧めます。
  25. ごはんですよ⇒おかゆ用。飽きて入院後半はお粥のまま食べました。
  26. 耳栓⇒大部屋で気になる方は用意した方が良いかも。自分は全然平気でした。大部屋では、大きな手術後に苦しんで唸り声をあげる方もよくいます。
  27. オーディオブック・ネットフリックスなど⇒術後は活字を読む意欲が薄れるので読まないコンテンツの方が楽。30日無料キャンペーン使えば入院中無料で使えます。

術前の健康食品・ハーブの摂取について

健康食品やハーブの中には、出血を止めにくくする成分や麻酔効果に影響のある成分を含むものがあります。

 

扁桃摘出術は傷口を基本的に縫いませんので、血小板が普通に機能して止血されるかは極めて重要ですし、全身麻酔の効果に影響あれば危険です。

 

例えば、ナットウキナーゼの健康食品は出血上危険で、精神に作用する系のハーブは麻酔に悪影響を与える可能性もあります。いわゆる血液サラサラ系食品は、直前・直後はなるべく控えた方が良いと思います。

 

たかが健康食品と侮らず、医師と十分相談するか、自分でとことん調べて自己責任で使用するか、よく考えて使用してください。

 

大体、一週間前~一か月前に服用停止すれば大体大丈夫そうです。

ググれば手術時に問題のある健康食品やハーブのリストが見つかります。

 

 

<続き~扁桃摘出手術のメリット・デメリット~>  

 

<質問などあれば、お気軽にどうぞ(タイムリーに質問に気づけなかった場合はすみません!)>

口蓋扁桃摘出術
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【体験記ブログ】扁桃摘出手術(扁桃腺切除手術)のススメ(2019/10/20更新)

コメント

  1. よし より:

    コメント失礼します。

    現在、扁桃摘出手術を検討しています。
    過去に扁桃腺が膿んで2回入院して、3か月に1度扁桃腺が腫れている現状です。

    そこで、摘出後の様子について教えて下さい!

    • パリティ より:

      今は摘出から半年ですが、喉に気を遣わずとも、一度も喉が腫れることもなく、風邪も全くひかず極めて快適です。
      手術前直前の半年は、毎月扁桃炎になるようになり、ジェニナッククラスの抗生物質を毎月飲んでいたのが嘘のようです。
      味覚障害(といっても違和感程度で手術後悔するほどではない)が3-4カ月続きましたが、その後は全く違和感もなくなりました。

      私は入院するほどではなく、抗生物質さえ飲めば治る程度でしたが、よし様の場合は摘出するとQOLが凄く高まると思います。
      私が手術決断したきっかけの1つは、同僚に入院や点滴するほど扁桃弱い先輩がいて、手術後非常に快適にしていたので羨ましく思ったからです。

      気づくの遅くなり申し訳ございません!
      摘出直後の様子はブログに書いた通りですが、他にご不安な点などありましたら仰ってください。

  2. パリティ より:

    よし様

    記事を追加しましたので、ご参考くださいませ。
    連休中に記事を追加予定です。